脳死
「移植医療について考える県民との懇談会」に行ってきました。やはり未だに植物状態と脳死の違いが充分理解されていない現状を聞かされて、以前書いた記事を読み返してみました。
2009年12月2日の「植物状態について」と、12月16日の「脳死は人の死」です。皆様今一度ご確認をお願い致します。植物状態と脳死は、全く違います。
脳死状態に陥ったら、再び甦ることはありません。それは既に脳が溶けているからです。
長期間脳死状態だった方の頭を病理解剖で開いてみたら、融解し液状に変性した脳がドロッと流れ出してきました。頭を開けなくても、オートバイ事故などによる頭皮の損傷箇所から溶けた脳組織が流出してくるのを経験することもありました。それでも人工呼吸器による規則正しい換気運動と、昇圧剤により血圧が維持されていることから、脳死状態であっても血の通った身体は温もりを保っているのです。脳死状態が既に「死」の状態にあると、なかなか理解出来ないし、感覚的にも受け入れ困難なコトだと言うことはよく分かりますが・・・。
(12月12日の「脳死の瞬間」についても合わせてご確認下さい)
「移植医療について考える県民との懇談会」で同僚の脳外科医が話していた内容も、結局は脳死と言うモノをより理解して欲しいと言う気持がメインだったように思います。患者さんが亡くなることが医療の敗北だと私は思っていませんが、その後に繋がる命も繋がる心もある訳で、そのスタートが脳死と言う現代医療が作り出した心臓死が訪れるまでの生と死の一瞬の狭間であるなら、それがどう言う状態なのかを医療従事者だけでなく一般の方々にも御理解頂くコトは大変重要なことだと思っています。
だってそれは次の瞬間にも、自分の家族や自分自身にだって起こり得る事ですから!
2009年12月2日の「植物状態について」と、12月16日の「脳死は人の死」です。皆様今一度ご確認をお願い致します。植物状態と脳死は、全く違います。
脳死状態に陥ったら、再び甦ることはありません。それは既に脳が溶けているからです。
長期間脳死状態だった方の頭を病理解剖で開いてみたら、融解し液状に変性した脳がドロッと流れ出してきました。頭を開けなくても、オートバイ事故などによる頭皮の損傷箇所から溶けた脳組織が流出してくるのを経験することもありました。それでも人工呼吸器による規則正しい換気運動と、昇圧剤により血圧が維持されていることから、脳死状態であっても血の通った身体は温もりを保っているのです。脳死状態が既に「死」の状態にあると、なかなか理解出来ないし、感覚的にも受け入れ困難なコトだと言うことはよく分かりますが・・・。
(12月12日の「脳死の瞬間」についても合わせてご確認下さい)
「移植医療について考える県民との懇談会」で同僚の脳外科医が話していた内容も、結局は脳死と言うモノをより理解して欲しいと言う気持がメインだったように思います。患者さんが亡くなることが医療の敗北だと私は思っていませんが、その後に繋がる命も繋がる心もある訳で、そのスタートが脳死と言う現代医療が作り出した心臓死が訪れるまでの生と死の一瞬の狭間であるなら、それがどう言う状態なのかを医療従事者だけでなく一般の方々にも御理解頂くコトは大変重要なことだと思っています。
だってそれは次の瞬間にも、自分の家族や自分自身にだって起こり得る事ですから!
この記事へのコメント
ワンクリック基金から追って来ました。
先日の移植医療の件で発表させていただきましたハーギスです。
私の父も脳死でしたが、確かにそういう状態がありました。
手足が動き出すと、良くなっている!と思ってしまいます。
脳死と植物状態は違うという事もその時初めて知りました。
そういう情報がきちんと伝わっていく事はとても大切だと思います。
言葉が足りず、先日は医療関係の方々には不愉快な思いをさせてしまったと思います。
でも、これからの移植医療がきちんと理解された状態で進んで行く事を願っています。
これからもお忙しいとは思いますが頑張ってください。
応援しています。
先日の移植医療の件で発表させていただきましたハーギスです。
私の父も脳死でしたが、確かにそういう状態がありました。
手足が動き出すと、良くなっている!と思ってしまいます。
脳死と植物状態は違うという事もその時初めて知りました。
そういう情報がきちんと伝わっていく事はとても大切だと思います。
言葉が足りず、先日は医療関係の方々には不愉快な思いをさせてしまったと思います。
でも、これからの移植医療がきちんと理解された状態で進んで行く事を願っています。
これからもお忙しいとは思いますが頑張ってください。
応援しています。
Posted by Goooya at 2011年02月23日 19:04
Goooyaさん、ご訪問・コメントありがとうございます。
先日の懇談会での話は、全く不愉快という感じはありませんでした。逆にその通りだと思いながら聞いてました。2009年11月26日の「脳外科医になった理由」にもちょっと書きましたが、医者はそれを成長の機会と捉えて人間力を磨き、患者さんやご家族ひいては社会へ還元していくべき立場にあると思っています。
日曜日の懇談会の後、二つ記事を書きました。一つがこの「脳死」もうひとつは25日に投稿予定の「移植医療において脳外科医が担うべき役割」です(もう一つ、「喪」についても書きたいのですが、うまくまとまらず苦戦中です)。
ご感想など頂けたら嬉しいです。
先日の懇談会での話は、全く不愉快という感じはありませんでした。逆にその通りだと思いながら聞いてました。2009年11月26日の「脳外科医になった理由」にもちょっと書きましたが、医者はそれを成長の機会と捉えて人間力を磨き、患者さんやご家族ひいては社会へ還元していくべき立場にあると思っています。
日曜日の懇談会の後、二つ記事を書きました。一つがこの「脳死」もうひとつは25日に投稿予定の「移植医療において脳外科医が担うべき役割」です(もう一つ、「喪」についても書きたいのですが、うまくまとまらず苦戦中です)。
ご感想など頂けたら嬉しいです。
Posted by samura at 2011年02月23日 20:54
セブンイレブンの入り口に、臓器移植のパンフが置いてあったので、もらってきました。
パンフには、脳死と植物状態の違いが分かりやすく書いてあり、中々に良いものでした。
パンフには、脳死と植物状態の違いが分かりやすく書いてあり、中々に良いものでした。
Posted by 草野俊哉@三線弾いてハッピーライフ! at 2011年02月27日 01:42
草野さん、コメントありがとうございます。
そのパンフが欲しいと思って、品川駅近くのセブンイレブンと羽田空港のセブンイレブンに入ったんですが、ありませんでした(泣)。沖縄にはセブンイレブンがないモノで・・・。
そのパンフが欲しいと思って、品川駅近くのセブンイレブンと羽田空港のセブンイレブンに入ったんですが、ありませんでした(泣)。沖縄にはセブンイレブンがないモノで・・・。
Posted by samura at 2011年03月01日 23:42