Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

高齢者における味覚障害の原因

齢者では、味覚が次第に鈍くなり、味覚障害を引き起こすことがあります。これには以下のような要因が関係しています:

高齢者における味覚障害の原因


加齢による味覚の自然な衰え
味蕾(味を感じる器官)の機能は加齢とともに低下します。これにより、特に甘味や塩味の感覚が鈍くなる傾向があります。また、唾液の分泌量も減少し、味の感覚が弱まります。

栄養不足(特に亜鉛不足)
高齢者は、食事量の減少や特定の栄養素の吸収不良により、亜鉛が不足しやすくなります。亜鉛は味覚細胞の再生に重要な役割を果たしているため、亜鉛不足が味覚障害を引き起こすことが知られています。

薬剤の影響
高齢者はしばしば複数の薬を服用しており、これが味覚障害の原因となることがあります。特に、降圧薬や抗うつ薬、抗がん剤などは味覚に影響を与えることがあります。

口腔内の問題
**口腔乾燥症(ドライマウス)**や、歯周病、義歯の使用による影響などが味覚障害に繋がることがあります。唾液の分泌が減少すると、食べ物の味を十分に感じることができなくなります。

高齢者における味覚障害の原因


認知機能低下と味覚障害の関連
認知機能が急激に低下した方で、味覚が狂うこともよく見られます。これには以下のようなメカニズムが考えられます:

神経機能の低下
味覚は、舌咽神経や顔面神経、迷走神経など、複数の神経を通じて脳に伝わります。認知機能が低下する疾患(例:アルツハイマー病、パーキンソン病など)では、これらの神経伝達が阻害されることがあり、味覚障害が発生する可能性があります。

嗅覚の低下
味覚と密接に関連する嗅覚も、認知機能の低下と共に影響を受けることがあります。嗅覚が低下すると、食べ物の風味が感じられなくなり、味覚障害と感じることが多くなります。特に嗅覚障害はアルツハイマー病の初期症状の一つとされています。

栄養不良
認知機能が低下した方では、食事の摂取が不十分になりがちです。これが栄養不足に繋がり、特に亜鉛やビタミンB12の欠乏が味覚に影響を与えます。

心理的要因
認知機能が低下した場合、うつ状態や不安、混乱などの精神的な影響が味覚に変化をもたらすこともあります。心理状態が食欲や食事の楽しみに影響し、食事が「おいしくない」と感じることがあります。

高齢者における味覚障害の原因


対処法とケア
高齢者や認知機能が低下した方の味覚障害に対する対応として、以下のことが役立ちます:

亜鉛やビタミンB12の補給
栄養補助食品やサプリメント、亜鉛やビタミンB12が豊富な食品を積極的に取り入れることで、味覚の改善が期待できます。

口腔ケアの徹底
ドライマウスや口腔内の炎症がある場合は、定期的に口腔ケアを行うことが重要です。また、唾液の分泌を促進する製品(人工唾液など)の使用も効果的です。

薬剤の見直し
複数の薬を服用している場合、味覚障害の原因となる薬を特定し、医師に相談して薬の調整を行うことも考慮されます。

嗅覚のケア
嗅覚の衰えが味覚に影響を与えている場合、香りの強い食べ物や香辛料を使って、食事を楽しむ方法を工夫するのも効果的です。

高齢者における味覚障害の原因


まとめ
高齢者や認知機能が低下した方に見られる味覚障害は、加齢や薬剤の影響、神経機能の低下、栄養不足など、複数の要因が絡み合って発生します。日常生活での栄養管理や口腔ケア、薬の見直しなどを通じて、味覚の改善が図れる可能性があります。また、適切な医療機関への相談が重要です。




vol.24
患者さんについて求めること

同じカテゴリー(医療)の記事

 
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

企業情報

会社名

さむら脳神経クリニック

住所

〒901-2226
沖縄県宜野湾市嘉数2丁目2−1
広栄メディカルビル 1F

TEL

098-897-1177

営業時間

9:00~12:00/14:00~17:00

定休日

水土午後 日曜祝日

URL

http://www.samura-clinic.com/

コメント

さむら脳神経クリニックは、日曜日も休まず診療しています。頭痛、物忘れ、めまい、手足のしびれのご心配がありましたら、ぜひ当院へお越しください。脳のお悩みを解決いたします