Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

医療崩壊?

先日髪を切って貰いながら聞いた話です。

この方、A君としておきましょう。
水上バイクのインストラクターをしておりまして、夏になると離島の海でブイブイ言わせてます。沖縄の海は透明度が高く、結構深いところまでよく見えるんですが、時には見たくないモノも見えてしまいます。このA君、ある日水深10メートル付近に、仰向けで沈んでいる人を発見しました!要するに水死体です。

こう言うコトって結構あるらしいんです。

ま、仲間を呼んでどうにか引き上げ、警察に届け出るんですが、第一発見者ということで何度も警察署に呼び出されて事情聴取されるらしいンです。慶良間とか渡嘉敷とか、離島の海でブイブイ言わせているのが、那覇署まで出頭を命じられるわけですから、出かけていくのも大変です。発見した状況など、事細かに聞かれるそうですが、場合によっては水上バイクでぶつけたんじゃないかとか、犯人扱いされるコトもあるそうです。警察も仕事でやっているんですが、A君だって出来るだけ早く水から出すために、素潜りで引き上げ作業をやるそうで、それなりの危険も伴うわけですから、呼び出されたあげくに犯人呼ばわりされちゃたまったモンじゃないですよ。しかもこういう経験が、これまでに3度もあるそうですから・・・・・。

で、A君の妹のB子さん。ある日ビーチでビールを飲みながら友達とダベってますと、沖の方でばしゃばしゃ溺れている人発見。ビーチの監視員に、「人が溺れてる!」と通報しまして、溺れていた方も無事救助されました。

B子さんも警察署へ呼ばれました。そして、人命救助に貢献したと言うことで、感謝状を頂いたそうです。

この差は一体何なんだ〜?

A君は、海底に沈んだBodyを発見しても、絶対手は出さないと心に誓ったそうでございます。

良いことなのか悪いことなのか、私には分かりませんが、A君の気持ちはちょっと理解できるかな。第一通報者として、警察に何度も呼び出されたり加害者扱いされたりで、バカらしくてやってられないって話ですが、話によると亡くなった方のご遺族には「誰かに責任を押しつけたい」って考えるような方もいらっしゃるようなんです。これって、今の日本人の特徴なんでしょうかねぇ??? 医療訴訟にしても、そう言うパターンが多くなっているような気がします。「高血圧の薬を変えたせいで、脳卒中になった」とかって訴える方など、いい例です。脳卒中の原因は血圧だけではないわけで、おたくの生活習慣が悪いから脳卒中になったんじゃないでしょうか?って言いたくなる医者もいらっしゃると思います。その責任を医者になすりつけようってんだから、とんでもない話です。

以前九州のとある赤十字病院で、「元旦にお雑煮に入っていた餅を詰まらせ窒息し後に死亡したのは、病院側の監視不十分によるもので、注意義務違反だ」と言って入院患者の遺族が訴えたケースがありました。はっきり言って無茶苦茶です。四六時中見張ってるなんて、出来るわけありません。こんなコトが続けば、重症の患者やトラブリそうな患者は入院拒否しようって動きが出てもおかしくありませんし、体に負担のかかる検査や手術はやらない方向に考える医者がどんどん増える事でしょう。

そう言えば「こんにゃくゼリー」では、「喉に詰まるような製品を作った会社が悪い」ってコトで訴えられたような・・・。リンゴを喉に詰まらせたら、「喉に詰まるようなリンゴを作った農家が悪い」とか???

それなら、喉に詰まるような餅を作った会社を訴えるコトになるのかもしれませんが、どちらにしても常識はずれのような気がします。

下手すると高齢者医療において、患者家族は患者の病状改善より、病状悪化や事故の発生をより強く望むようになるかもしれません。だって病状が良くなれば、退院して自宅で面倒看なければならなくなりますが、入院中のトラブルやなんかで万が一患者が死亡した場合、医療訴訟に持ち込んで何千万もふんだくる事が出来るかもしれませんからねぇ。通常の診療時間であれば、検査も十分に出来ますからトラブル発生の確率も低くなるはずです。未必の故意的医療事故願望家族がいるとしたら、出来るだけ夜間の、人手も足りず検査も十分に出来ない時間帯に、患者を病院に連れて行く事になるんでしょうねぇ。やっぱり救急受診高齢者拒否が増えるかも・・・・・。

いや、話の発端は、髪をカットした結果が自分のイメージ通りではなかったという理由で訴訟を起こしたお方が現実世界にいらっしゃったってことで、床屋の方がおっしゃるには今後髪を切る時でも、病院で手術するときと同じように「カタログのイメージ通りにならない事もあります」旨の同意書にサインして貰う必要が出てくるんじゃないかって話でした。

カットの順番を待ちながら見てると、カタログを見せながら「こんな髪型にしてください」なんて言ってる人、確かに結構います。ハンサムなモデルさんはどんな髪型でも格好良く見えるんだから、自分が同じ髪型にしたから同じように格好良く見えるって思うのは、はっきり言って大間違いだと思いますが・・・・・。でもそのあたり、よくわかってない人もいるんでしょうね。

あたくしこれまでヘアスタイルに気を遣ったコトがなかったので、ある時カタログを見せて「こんな顔にして下さい!」ってお願いしたら、「出来ません!!!」ってキッパリ断られてしまいました・・・・・。





vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
いつもオチが先で、そのために文章考えているんでしょ?

確かに病院では家族に対して「こんな確認まで!?」と思うような文書にサインを求められますね!
防衛措置の一つなんでしょうが・・・おかしなクレーマーが増えた煽りでしょうね・・・"┐( -""-)┌ ヤレヤレ"

こんにゃくゼリーの事件なんかが良い例ですね。
包丁で指切ったら、切れる包丁作った会社を訴えてほしいものです(o^-^o) ウヒッ
Posted by ichigeki at 2013年04月30日 08:58
ichigekiさん、さすが蛇の道はヘビ!

おっしゃる通り、オチが先でそこに持って行く文章を考えるパターンもよくあります!それ以外にも、何とな〜く浮かんだ文章を適当につなぎ合わせて全体を構成する場合も。その際の接続語は、「それはいいとして」。

これは使えます。便利な言葉ですよ〜!
Posted by samurasamura at 2013年05月08日 18:12
 
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