Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

夜作られる

「寝付きが悪い時はどうしたら良いんでしょ?」と言う草野さんからのご質問がありまして、一言で解決出来る打開策があったらすぐにでも適応したい患者さんもいらっしゃるのですが、なかなか難しいというのが現状です。

その患者さんは毎晩9時頃床に入っても3時頃まで寝付くことが出来ず、眠剤の調整を行っているのですが、作用時間が長すぎたり筋弛緩が効き過ぎると転倒の危険もあるので微量ずつの調整にならざるを得ないのです・・・。80オーバーのやや足下もおぼつかない患者さんで、実際夜中に転倒したりしているようでこっちは心配で心配でたまらないのですが、外来ではかならず「もう少し強い薬を出して下さい!」とおっしゃるのです。

「先生の笑顔を見ていると、病気も全部治ったような気持ちになるさ〜ハート」等とお茶目なことをおっしゃって、こっちは脇の下の敏感な部分をコチョコチョくすぐられているような気分になってしまって、思わず「じゃあちょっと考えてみましょうね」と返事をしてしまうのですが、良く考えると(考えなくても)笑顔だけでは眠れるようにならないので眠剤を要求するのですが・・・。

人間ばかりでなく生命が誕生するず〜っと前から、いや、もう地球が誕生したその時から昼と夜の繰り返しが1日を構成して来たことは間違いありませんので、生物は昼と夜を繰り返す24時間のリズムに適応して進化してきたはずです。生命の原初的形態である単細胞生物がDNAを複製して増殖する場合、日中燦々と降り注ぐ日の光を浴びている時は紫外線をメインとした有害な放射線によるDNA障害を来す可能性が高いわけで、それを避けるためにも自己複製は夜間に行われることになったわけです。

このような単細胞生物の時代からの進化の記憶がDNAに刻み込まれ、現在においても子供は夜作られることになっているのかどうかわたくしにはよく分かりませんが、いずれにしても朝お日様が昇れば目が覚め夜暗くなれば眠るというサイクルが出来上がったわけです。午前中はステロイドホルモンの分泌が亢進し、日中は自律神経も交感神経優位となりますが、夜間は副交感神経が優位となり夜中になると成長ホルモンの分泌量が増加します。このような約24時間周期で変動する生理現象を、サーカディアン・リズムと言います。きっかり24時間でないところがミソなんですが、サーカディアン・リズムは24時間±4時間の範囲内で人間の場合は25時間と言われています。つまり人間の持っている生体時計の1日は25時間に設定されているのです。




vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
了解しました!
寝つきの悪いときは、諦めます!!
Posted by 草野俊哉@三線弾いてハッピーライフ!草野俊哉@三線弾いてハッピーライフ! at 2010年11月18日 01:56
草野さん、ご訪問ありがとうございます。

わたくし、眠れない時は速攻諦めてマイスリーで対応しますが、明け方近くまで起きていることも時々あります。

明日も引き続きメラトニン関連のネタで、草野さんの質問をきっかけに3回(3話)も引っ張ってしまいました・・・。これからもブログネタ的面白いご質問をお待ちしております!
Posted by samurasamura at 2010年11月18日 22:44
 
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