認知症と運転免許
青信号で横断歩道を渡っていたら、左折してきたタクシーに危うく轢かれそうになってしまいました。そのタクシーの運転手は、無線と思われる機器を手に持って何者かと交信しており、青信号で横断中のわたくしに気付くのが遅れた感じでした。運転中に携帯電話で通話やメールをしてはいけないことは皆様ご存じの通りですが、無線はOKなんでしょうか???
それはいいとして、アルツハマー病の方は車の運転はやってはいけないことになっているそうです。アルツハイマー病と診断したら、本人にもご家族にも車の運転はやめるように説明しなければなりません。ちゃんと説明しなかった場合、アルツハイマー病の患者さんが車を運転して交通事故を起こしたら、医者も説明義務違反みたいな責任を問われることになるんだそうです。
アルツハイマー病は空間認識能力が低下しますので、自分がどこにいるか把握出来なくなり徘徊するようになってしまいます。目や耳から入ってくる情報を処理する能力も低下しますので、状況に応じた適切な判断が出来なくなります。注意力は散漫となり、危機回避能力も低下しますので事故を起こす危険性が高まるわけです。ですから、アルツハイマー病を含めた認知症の方が車を運転してはいけないと言う点に関しては、特段反論の余地も無いかと思います。
でもねぇ、認知症の方が事故ったからって、医者に責任をおっかぶせるのはちょっとねぇ・・・。
もちろん運転はしないように説明はしますし、その旨はカルテにも記載します。でも形式的に説明することが目的ではなく、認知症の患者さんが車を運転して事故を起こさないようにするコトが目的であるはずです。
その患者さんの人生の主役は、その患者さんご自身です。医者は脇役で医学的な見地から説明したり助言したりはしますが、最終的に決めるのは患者さんご自身です。脳梗塞になる危険が高いといくら説明してもタバコをやめない方だっていらっしゃるわけですし、癌にかかっても治療しないと言う選択肢だってあるわけです。決めるのはその患者さんご自身であるべきです(たぶん)。アルツハイマー病の方にも、ご家族の送り迎えだけが生き甲斐でそれを取り上げられると自分は生きている意味がないと言う方もおられるわけで、病状が進行した状態ならいざ知らずごく初期の段階で杓子定規に「運転はダメ!」と言っていいモノかどうか、私にはよく分かりません。30年40年バスやタクシーの運転をしてきた方の場合、運転に関しては100%の自信を持っておられるわけで、若造の医者が空間認識能がうんたらかんたら言ったって、聞くわけありません。神の手ドクターじゃありませんが、300%聞きません。てか、診察終わって家に帰る頃には、医者の言ってたコト忘れてたりして・・・・・。
そもそも運転免許証は我々医者が公布するモノではなく、公安委員会が公布するモノであります。認知症の患者さんが運転しないようにする責任も、公安委員会にあるのであります(たぶん)!もちろん何もやってないわけじゃありませんが、
認知症の患者さんが正確に記入出来るかどうか甚だ疑問です・・・・・。
患者さんの人権も大切なんですが、かと言って他の方の生命や財産が侵害される状況も避けなければならないし。診断する側と免許を交付する側が、もう少し連携を取るコトが出来ればいいんですけどね。
それはいいとして、アルツハマー病の方は車の運転はやってはいけないことになっているそうです。アルツハイマー病と診断したら、本人にもご家族にも車の運転はやめるように説明しなければなりません。ちゃんと説明しなかった場合、アルツハイマー病の患者さんが車を運転して交通事故を起こしたら、医者も説明義務違反みたいな責任を問われることになるんだそうです。
アルツハイマー病は空間認識能力が低下しますので、自分がどこにいるか把握出来なくなり徘徊するようになってしまいます。目や耳から入ってくる情報を処理する能力も低下しますので、状況に応じた適切な判断が出来なくなります。注意力は散漫となり、危機回避能力も低下しますので事故を起こす危険性が高まるわけです。ですから、アルツハイマー病を含めた認知症の方が車を運転してはいけないと言う点に関しては、特段反論の余地も無いかと思います。
でもねぇ、認知症の方が事故ったからって、医者に責任をおっかぶせるのはちょっとねぇ・・・。
もちろん運転はしないように説明はしますし、その旨はカルテにも記載します。でも形式的に説明することが目的ではなく、認知症の患者さんが車を運転して事故を起こさないようにするコトが目的であるはずです。
その患者さんの人生の主役は、その患者さんご自身です。医者は脇役で医学的な見地から説明したり助言したりはしますが、最終的に決めるのは患者さんご自身です。脳梗塞になる危険が高いといくら説明してもタバコをやめない方だっていらっしゃるわけですし、癌にかかっても治療しないと言う選択肢だってあるわけです。決めるのはその患者さんご自身であるべきです(たぶん)。アルツハイマー病の方にも、ご家族の送り迎えだけが生き甲斐でそれを取り上げられると自分は生きている意味がないと言う方もおられるわけで、病状が進行した状態ならいざ知らずごく初期の段階で杓子定規に「運転はダメ!」と言っていいモノかどうか、私にはよく分かりません。30年40年バスやタクシーの運転をしてきた方の場合、運転に関しては100%の自信を持っておられるわけで、若造の医者が空間認識能がうんたらかんたら言ったって、聞くわけありません。神の手ドクターじゃありませんが、300%聞きません。てか、診察終わって家に帰る頃には、医者の言ってたコト忘れてたりして・・・・・。
そもそも運転免許証は我々医者が公布するモノではなく、公安委員会が公布するモノであります。認知症の患者さんが運転しないようにする責任も、公安委員会にあるのであります(たぶん)!もちろん何もやってないわけじゃありませんが、
認知症の患者さんが正確に記入出来るかどうか甚だ疑問です・・・・・。
患者さんの人権も大切なんですが、かと言って他の方の生命や財産が侵害される状況も避けなければならないし。診断する側と免許を交付する側が、もう少し連携を取るコトが出来ればいいんですけどね。
この記事へのコメント
事故が相次いでますのでね・・・・・
事故を起こした運転手が全てアルツハイマーではないのですが・・・(^^;)
ただ単に年を取っていくだけで、判断や認知スピードは衰えていくので、運転に関しては気長に家族が説得するしかありませんね!
それにしても左折してきたタクシー・・・・・・惜しかったな・・・・・(◎o◎;)
事故を起こした運転手が全てアルツハイマーではないのですが・・・(^^;)
ただ単に年を取っていくだけで、判断や認知スピードは衰えていくので、運転に関しては気長に家族が説得するしかありませんね!
それにしても左折してきたタクシー・・・・・・惜しかったな・・・・・(◎o◎;)
Posted by ichigeki at 2012年05月02日 08:40
惜しかったな・・・・・って、あ〜たねぇ(怒)!
Posted by samura at 2012年05月02日 22:17
普通自動車で、約1トン。
運転者が意識や注意力を失ったら、車は凶器になりますね。
人権や、いろいろな団体の思惑も絡み、本来の危険性が蔑ろにされている気もします。
その結果、ここ最近、悲しい事故が多いですが、多くの人の気づきや正しい規制のキッカケになれば、少しは救われるのかなと‥。
運転する僕らも、注意しなければなりませんね。
運転者が意識や注意力を失ったら、車は凶器になりますね。
人権や、いろいろな団体の思惑も絡み、本来の危険性が蔑ろにされている気もします。
その結果、ここ最近、悲しい事故が多いですが、多くの人の気づきや正しい規制のキッカケになれば、少しは救われるのかなと‥。
運転する僕らも、注意しなければなりませんね。
Posted by IGU at 2012年05月02日 23:30
IGUさん、コメントありがとうございます。
運転中に携帯電話使用しているドライバーを見かける回数が多くなったように感じる今日この頃です。運転手が携帯電話を使用出来なくなるようなシステムって出来ないモノなのでしょうか?運転席だけ妨害電波当てるとか・・・。
運転中に携帯電話使用しているドライバーを見かける回数が多くなったように感じる今日この頃です。運転手が携帯電話を使用出来なくなるようなシステムって出来ないモノなのでしょうか?運転席だけ妨害電波当てるとか・・・。
Posted by samura at 2012年05月06日 22:09