Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

落とし物

朝クリニックの床のモップがけをしておりましたら、待合室のソファーの下に時計の落とし物がありました。前の日に受診したどなたかが落とされたんでしょうか? 落とされた方はさぞかしお困りのことと思いますので、心当たりのある方はさむら脳神経クリニックまでご連絡下さい。

落とし物


私はこれまで腕時計はほとんどしてなかったんですが、今は一目惚れで買った時計を肌身離さず、お風呂と食器洗う時以外は寝る時もつけっぱなしです。

それはいいとして、スポーツが上手な人をいにしえより「運動神経がいい」などと呼び習わしておりますが、「運動神経がいい」人の脳で運動神経が発達しているかどうかは別問題です。

脳の神経には局在があって、どの神経がどこに配置されているかは全て決まっています。手を動かす運動神経の場所も足を動かす運動神経の場所も、全部決まっています。大脳皮質にある運動神経から出た手や足を動かす命令は、脳幹を通って反対側に交差し脊髄前角で次の神経にバトンタッチします。バトンタッチするまでが上位運動ニューロン(中枢神経)で、脊髄前角でバトンタッチした後の神経線維が下位運動ニューロン(末梢神経)で、脊髄を出て手や足の目的の筋肉まで伸びていきます。

大脳の運動皮質から脊髄前角細胞までの神経の経路を錐体路と言いますが、これがいわゆる運動神経で哺乳類特にサルやヒトにおいて最も発達しています。ところが運動神経が発達しても、いわゆるひとつの「運動神経がいい」状態にはなりません。凄くおおざっぱに言いますと、ここで言う運動神経(錐体路)は単に手足を随意的に曲げ伸ばしするかなり荒い運動を行うだけで、それをスムーズに体中の筋肉を協調的に動かすために作用するもう一つの運動神経が大脳基底核(錐体外路系)であったり小脳であったりするわけです。

脳出血や脳梗塞で片側の運動神経が障害を受けると反対側の手足の麻痺が生じますが、錐体路系が広範に障害を受けると全身の筋肉の萎縮と筋力低下が現れます。全身の筋肉の障害が進行し、最終的に呼吸筋までが麻痺してしまう恐ろしい疾患が、筋萎縮性側索硬化症です。




vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
かわいい時計の落し物ですね。
Posted by ミキ at 2011年08月18日 13:04
ミキさん、ご訪問・コメントありがとうございます。

かわいい落とし物の持ち主は、まだ現れません。もう暫く受付で保管しておこうと思います。
Posted by samurasamura at 2011年08月22日 18:56
 
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コメント

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