Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

依存

依存とは、「他に頼って存在、または生活すること」だそうです。医療で用いる場合は「薬物依存」なんて言葉がありますが、「薬物の特定作用に魅力を感じ、反復摂取を欲求する生物学的現象」ってな意味です。つまり、薬物が示す魅惑的に感じられる効果を味わうために、またその薬物を摂取しないコトによって起こる不快感から逃れるために、連続的、周期的に摂取してしまう脅迫的な状態で、身体的依存と精神的依存があります。

身体的依存とは、一定量の薬物が体内に存在することが求められる状態で、薬物摂取を中断すればいわゆる一つの禁断症状が出現します。精神的依存は、満足感を得たり不快感を少なくしたりする目的でその薬物を摂取したいという欲求が抑えられない状態、衝動的に求める状態です。私らも時々言いますが、「薬を持っているだけで安心」って状態も精神的依存に入るかも。

麻薬や覚醒剤、シンナーなどの有機溶剤を除いても、依存に陥る可能性がある薬物には睡眠剤、抗不安剤、鎮痛剤などがありますし、医薬品以外でもアルコールやニコチン、カフェインなども依存に陥ることは周知の事実ですし、ギャンブル依存や借金依存など薬物以外にだって依存症が発生することもあり得ます。

薬物は、反復連用から精神依存を形成し、一定量の薬物が体内にあるコトに順応した状態、つまり身体依存へと進行していきます。

慢性的な頭痛に悩まされつつも、自己判断による鎮痛剤の連用で対処しておられる方、依存(薬剤乱用型頭痛)に陥ってしまう可能性がありますので注意しましょう。慢性的な頭痛でも「私は頭痛持ちだから・・・」と簡単に考えず、きちんと診断し原因に対する治療を行っていかなければなりませんよ!




vol.24
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