Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

セカンドオピニオン(2)

と言うコトでセカンドオピニオンですが、先日患者さんがご両親と一緒に来院されまして、病状についてお話を聞き私の意見も述べさせて頂きました。

特に情報提供書や検査結果などはお持ちでなかったので、セカンドオピニオンという形でも診療ではありませんでしたし、保険診療というわけにも行きませんので受付も通さず個人的にお話ししただけと言う形にしました。やはり主治医にお願いして色々資料を取りそろえてもらうのは、患者さんにとってもかなりのストレスになるのかと感じました。

結果として、「脳のCTを撮影して特に異常所見がないので問題ありません」と言う結論であったとしても、実際問題として患者さんは色々な脳に起因すると思われる症状で苦しんでおられる訳なので、「脳外科的な問題はない」で終わりにせずそれなら次はどこで何を調べるべきか、いわゆる一つの道案内をすべきだと思うのです。例えば意識状態が清明とは言えない状況であったりけいれん発作が起こっているような状態であれば、脳波で脳の活動を確認したり脳血流シンチで脳の循環に変化が出ていないか、PETで代謝に異常が無いかなど調べることは出来ると思います。記憶障害が疑われるなら、神経心理学的な高次機能検査を行い評価する必要もあるでしょうし、内科的なアプローチも必要になるでしょう。

このような意見も踏まえて、まずは主治医とも相談して頂くことにしました。セカンドオピニオンであれば、主治医宛に面談内容の報告書を作ってお持ち頂くのですが、単に個人的に相談に乗っただけなのでさすがにそこまでは出来ません。もし全く知らない医者から自分の患者さんについてあーだこーだと手紙が来たら、その先生だってビックリするでしょうし、患者さんとの関係が悪くならないとも限りませんので、このあたりは出すぎた真似はしない方がいいと考えているのです。

と言うか、本来は私などの出る幕ではないわけで、主治医が考えて対応すべきではあるのですが、それが十分出来ない場合に患者さんがどうしたらいいか分からず一人で悩むと言う状況が生じてしまっているのです。私で良ければお話を聞いて次にどうすればいいか、「こんなアプローチもありますよ」くらいのお話は出来るんじゃないかなぁとも思っているのです。

それからすると、別にセカンドオピニオンにこだわる必要も無いのではとも思っていましたが、スタッフからは「全く料金を頂かないと逆に患者さんも気兼ねするでしょうから、相談という形で料金も決めて対応した方が良いのでは・・・」との意見も出ていました。

確かに!

あたしゃ主治医の情報提供書がないと絶対ダメとか、必ず検査結果の資料を持ってこいとか、そんな頭の硬いことを言うつもりは全くありませんし、意固地になる必要も偏屈になる必要も無いのです。自分で言うのもなんですが、許容範囲・守備範囲は非常に広いタイプなのです(昨日の話と違うのでは・・・?)

「プチ・セカンドオピニオンってコトにする?」って提案したら、「何でもプチを付ければいいって思ってませんか!」とお約束の突っ込みを入れられ、帰宅後もどうしたモノかと考えていたらいきなり娘が「世界で一番大きなモノは何? 宇宙・・・?」

って、父はそんな質問に返答出来ません(宇宙って世界の中に有るンかいな)!

と言うコトで、ご相談にはきちんと対応したいと思いますが、是非ともわたくしが返答可能な内容でお願い出来ればと思います。




追伸
睡眠障害については、名嘉村クリニックの名嘉村博院長のご厚意で、丁寧に詳しく調べて頂きました。先生にはこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。




vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
私は、セカンドオピニオンで受診したことがあります。
看護師さんに、私の意向を伝えたところ、保険適用になるか、ならないかと微妙なところでした。
患者としたら、保険がきくようにしたいですよ。
でも、主治医に言う勇気とセカンドオピニオンで受診するお金が必要になる。お金かからず相談できると嬉しいですが、親切に丁寧に話をしてもらえばもらうほどに…お金を払いたくなります。
セカンドオピニオンの為に知り合いの先生に相談しましたし。決断するために
あと少し受診が遅れていたらと思うと、今でもゾクッとします。
私は、曜日・時間を決めて相談にのるほうがいいと思います。料金は一律で設定するべきです。
先生と、スタッフさんの時給で、料金の設定してみてはいかがでしょう?
けして安く設定しないでください。
先生の話で、これからの生活が変わるわけですから、妥当な額がいいと思います。
あと宇宙発言いいですね!私なら、親の愛に決まってるだろって言うはず(笑)
Posted by よぅ at 2010年06月02日 20:35
よぅさん、コメントありがとうございます。

セカンドオピニオンは一筋縄ではいかない難しさがあって、対処に苦労しています。個人的な理解ですが、患者さんが求めた場合はセカンドオピニオンで保険適応外になると思いますが、主治医が治療や検査目的で紹介する場合(意見を来ておいでだけはダメだと思いますが・・・)は、セカンドオピニオンにはならないのでは(つまり保険適応)とも考えております。
さらには、「裏・セカンドオピニオン」的秘奥義もあるんですが、業務秘密でオープンに出来ないのが残念です・・・(ホントはそんなの有りません)。

親の愛!確かに宇宙より大きいかも!!!
彼女はシロナガスクジラと言う結論で納得してました。どうやら世界で一番大きな生き物は?と質問したかったみたいです。
Posted by samurasamura at 2010年06月03日 23:52
samura先生
お疲れ様です。
本当にセカンドオピニオンは簡単には対応できません。対処に苦労すると思います。
看護師さんに、患者さんが求めた場合はセカンドオピニオン。主治医が治療や検査目的で紹介するのは、保険適応と言われました。
情報提供書をもっていようが、持っていまいが、どちらが求めたかによって違うってなんだ?と思いましたよ。結構無理言いました。情報提供書に主治医がセカンドオピニオン希望の方ですと記入してたので、保険適用外となったのです。
厚労省の考えを熟知しないと、医療受ける側も提供する側も難儀な事に…。
医療連携を密に!と日頃仕事でも、病院に出入りしますが、いつも何だかすっきりしません。
伝え方の勉強不足を感じます。(医療解釈って難しい)いつもブログを通してなるほどね〜と納得してます。お嬢様の質問と同じ、突拍子もない質問があっても、先生は動揺せずに対応していただき(笑)ありがとうございます。
今度 高次脳障害について、書いていただけませんか?
何度も同じ話をする。躁鬱がある。対応する時の注意点。先生に伝えたほうがよい事って、どんなことでしょう。
例えば睡眠の状況とか、日中ウトウトしすぎるとか、そんな事でいいのでしょうか〜。
診察時間を有効に使いたくて、メモを作りますが、的を獲てない気がしてます。担当医に、クスッと笑われて不安になるのですよ!!
こちらは、困った事なんですがね。
長々と書いてしまいました。おはようございます!
Posted by よぅ at 2010年06月04日 06:48
よぅさん、コメントありがとうございます。

突拍子もない質問には、娘で鍛えられてます!「お父さん、16メートル何秒で走る?」とか・・・。
高次機能についても書いてみたいと思います。以前大学にいた頃は、神経心理の教室と一緒に仕事してたんですが、10数年前のことでだいぶ記憶も定かではなくなってきていますので、再度勉強が必要ですね!
Posted by samurasamura at 2010年06月06日 18:30
 
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