Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

医療に対する考え方

私たちは生きていく上で、常に様々な判断に迫られます。まっすぐな一本道を歩いているわけではなく、何本かに枝分かれした道のどれかを選択して歩いていかなければなりません。ことあるごとに、いくつかの選択肢の中のどれかを選ぶことになるのですが、その際にどのような判断基準で選択するかは、同じ様な状況においてもその人の価値観や人生観によっても変わってきますし、誰にどのようなアドバイスを受けたかによっても変わってくると思います。

ただ、どの道を進むかを決めた時点では、その行く先にどんな風景が見えてくるかは分からないものです。

医療においてどんな治療を行うか患者さんに判断して頂かなければならない事もありますが、「先生にお任せします」的に判断を委ねられることもしばしばです。医者と患者さんの価値観が同じであれば「先生にお任せ」しても大丈夫でしょうが、価値観が違った場合(基本的に同じと言うコトは無いんですが・・・)医者が良かれと考えてやったことが、結果として患者さんの為にはなっていなかったって事だって起こり得ます。

大切な自分のいのちや健康の問題を、他人任せにせず自分の責任の下に判断していく必要があると思っています。とは言っても、そう簡単にできることではない、と言うコトも理解しています。判断を患者さんに丸投げしようと考えているわけではなく、私は患者さんと共に考え共に歩いていきたいと思って診療しています。

今目の前に、A、B、C・・・と沢山の枝分かれした道があるとすると、どの道を行くとどんな景色が見えてくるか患者さんには分からないことも多いと思います。でも、医者は違います。Aの道もBの道もCの道も、その他も道も歩いていって先の景色を見てきたのが、医者という人間です。過去において、多くの患者さんと一緒にいろんな道を歩いてきて、この道を歩けばどこにたどり着くかを、完全ではありませんがある程度予測できる力を持っています。

勿論医療にも限界がありますし、医者にだって分からないこともあれば予測が外れることだってありますが、それだからこそ医者が患者さんやご家族と共に考え共に歩いていくような医療が必要なのではないかと、このように考えている次第であります。




vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
年寄りみたいに、夜中にトイレで起きました。(笑)
最近、医療について思うことが多くあります。診療報酬も健康保険料も、医者も患者も、本当に必要なところに、お金や時間を使っているのか…。
モラルなんでしょうが…

人は病気に向き合う時間ができた時に、今までは(お医者さんにおまかせ)だったかもしれませんが、価値観が多様となり、選択をするようになりましたね。
患者も自分で情報を得る時代になりました。ネットで検索できますから。
これからお医者さんに期待するのは、病と闘うパートナーとして人間性に感じます。限界ギリギリを経験した人にしかわからない。それは領域なのかもしれません。肩の力をぬいて、相談できるようになるまで、お互いに道のりが、あります。まずは、声にだしていかないとですね。今回改めて感じました。
ちなみに、来週がコードブルー最終回です(笑)今週を見逃しても来週があります。
Posted by よぅ at 2010年03月18日 03:29
よぅさん、おはようございます。
ご訪問、コメントありがとうございます。

おっしゃるように、医者の立ち位置や患者さんとの距離感は、昔と比べるとかなり変化しているのではと思います。独りよがりではなく、患者さんやご家族から信頼して頂き、何でも相談できるようなクリニックを目指して頑張りたいと思います。
Posted by samurasamura at 2010年03月20日 10:23
 
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