Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

腹囲の測り方

沖縄県の男性の平均寿命が4位から26位に急落した、いわゆるひとつの26ショック(または、沖縄クライシス)。

読者の皆様におかれましては、既にご案内の通りかと思いますが、一般的には沖縄の男性の肥満率の高さが問題視されております。個人的には自殺率の高さも問題ではないかと考えておりますが、それはひとまずこっちへ置いといて、今回はメタボリック症候群について考えてみたいと思います。

メタボリック症候群とは、内臓脂肪の蓄積によって動脈硬化のリスクファクターである高血圧・糖尿病・脂質異常症が同時多発的、相乗的・累乗的に脳・心臓を含む重要臓器を蝕む病態で、定義と致しましては、

腹囲男性85cm、女性90cm以上が必須。
かつ
血圧130/85mmHg以上。
中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満。
血糖110mg/dL以上。
の3項目中2項目以上。
注)HDLc:善玉コレステロール

と言うコトになっております。

何故に男性が85cmで女性が90cmなんだ?ってコトもそうなんですが、これを見ていつも不思議に思うことは、血圧や血糖値、中性脂肪、善玉コレステロールは機械で測りますので結果に作為的な操作が入る余地は全くありませんが、腹囲に関してはある意味如何様にも成り得るワケなんでございます。

そのあたりをもう少し具体的にお示しするために、やはり卑近な例を御供覧させて頂きたいと思うのですが、本日御登壇頂くのはこのお方!






























1・2の三四郎の主人公、東三四郎(またそれかい)

腹囲の測り方

のイチドゥシの西上馬之助

腹囲の測り方


氏の御略歴は前回の記事をご参照して頂くことにして、こんなお腹の状態でも

腹囲の測り方

ちょっと腹筋に意識を集中させると、ほれこの通り!

腹囲の測り方

では、何故腹囲を測るかと言いますと、内臓脂肪の蓄積具合を簡易的に評価するためです。本来は腹部CTを撮影し、おへそのレベルでどれくらい内臓脂肪が溜まっているのかを正確に計測する必要があるのですが、そんなコト毎回出来るわけありませんのでとりあえず腹囲で代用してしまおうと言う、ある意味かなり乱暴な評価法と言わざるを得ないのであります。だって皮下脂肪が多いケースと内臓脂肪が多いケースを、腹囲だけで見分けるコトなんて不可能ですから!

腹囲の測り方


厚労省は、男性の腹囲85cm女性で90cmが、腹部CT検査の内臓脂肪面積が100cm2以上に相当すると申しております。で、その測定方法ですが、立った姿勢でへその高さで、息を吐いた状態で測定するのが古式に則った正しい計測法なのだそうです。

腹囲の測り方


もう一度馬之助にモデルになって貰いますが、おそらく厚労省はこういう状況を想定していると思われます。

腹囲の測り方


しかし、息を吐いた状態と言っても、十人十色多種多様!

例えばこの方の場合は、

腹囲の測り方


「カアアアアア」と息を吐きつつ、お腹はベコッ!

腹囲の測り方

ロングブレスの美木良介氏だって、息を吐く時は「お腹と背中がくっつくイメージで」と申しているではありませんか!

腹囲の測り方


皮下脂肪が多い場合は、腹筋に力を込めることで腹腔内のガスが移動し腸管もシュルンペってお腹が凹みますが(たぶん)、内臓脂肪の場合は腹腔内が脂肪で充満しているため、いくら腹筋に力を入れてお腹をへこまそうとしても凹みません。単純に腹囲を測るだけでは皮下脂肪型なのか内臓脂肪型なのかを見分けることは出来ませんが、思い切りお腹を凹ませて測ることで鑑別が可能になるのです(たぶん2)! 厚労省も、腹囲計測の際にお腹を凹ませてはいけないとは言ってませんし・・・・・。

と言うコトで読者の皆様、腹囲を計測する際は腹筋に力を込めて思いっ切りお腹を凹ませて測りましょう。息さえ吐いていれば、全く問題ありません(たぶん3)! いくら腹筋に力を入れてもお腹が凹まない方、あなたは内臓脂肪が貯留したメタボリックシンドロームに陥っている可能性が限りなく高い状態ですので、わたくしも激やせしたカムカムダイエットを御検討下さい!





vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
こんにちは。突然失礼いたします。
わたしは、22歳の女性なのですが、2度も慢性硬膜下血腫になってしまいました。
1度目は、去年の5月に泥酔状態で地面に頭を打ち、右頭蓋内慢性硬膜下血腫に。
2度目は、(おそらく)去年の12月、スノーボードの時に衝撃が加わり、左頭蓋内慢性硬膜下血腫になりました。どちらの血腫も、穿頭ドレナージ術により治療しました。
2度も慢性硬膜下血腫になるなんて、何か原因でもあるのでしょうか…
主治医からは「スノーボードが体質に合わない」としか言われず、2度もなってしまった原因はわかりませんでした。

また、先生が過去に書かれた記事を見ていますと、薬で治療したというお話がありました。
それは、いわゆる漢方薬というものでしょうか?
6月の手術の前に、「一応漢方薬があるんですけど…効くか効かないかは、わかりません。それでも飲んでみますか?」と言われたのでお断りした事がありました。しかし、先生の記事を見て、本当に効くのかと驚きました。

お忙しいと思いますのでお時間のある時で構いません、お返事をお待ちしております。
長々と、失礼いたしました。
Posted by めかちょ at 2013年01月28日 11:25
めかちょさん、コメントありがとうございます。

二回も慢性硬膜下血腫になってしまった原因は、頭をぶつけたことです!
若い人では普通に頭をぶつけた程度で慢性硬膜下血腫にはならないと思いますが、何らかの出血性素因が隠れている可能性はあるのではないかと思います。

内服治療で効果が期待出来る場合は、血腫の最も厚い部分が10mm以内の血腫で、血腫が大きくなると内服治療での根治は難しいので手術療法に頼らざるを得ないと思います。
Posted by samurasamura at 2013年01月30日 20:55
お返事ありがとうございます。

執刀医によると、わたしの脳がやや萎縮しているそうで、それが慢性硬膜下血腫になりやすい原因ではないかとのことでした。

なるほど、血腫の厚さによって、効きも変わるのですね。
参考になりました。
ありがとうございました。
Posted by めかちょ at 2013年02月03日 18:30
誰が激やせしたって?
Posted by ichigeki at 2013年02月12日 16:35
 
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