Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記
どてらい男
samura
2011年04月22日 01:14
どてらい男、ご存じでしょうか?
西郷輝彦扮する主人公の
山下清
山下猛造は、第二次世界大戦で捕虜となり沖縄(たぶん)の捕虜収容所に入れられてしまいます。捕虜が解放されて日本へ帰れることになった時、船に乗る順番がアルファベット順と言うことを聞いた西郷輝彦扮する山下モーヤンは自分の頭文字(Y)がほとんど一番最後なので、出来るだけ早く日本へ帰りたい一心から一計を案じ「しびれ神経痛」なる架空の疾患を捏造します。「自分は奇病を患っているんだから、早く本国へ返してくれ!」と言うわけです。結局捕虜になった際に名乗っていた伴大将(
頭文字D
頭文字B)の名前で、早く帰れちゃうわけですが・・・。
それにしても、わたくしこれまでしびれ神経痛の患者さんにはお会いしたことがございません。神経痛で脳神経外科へ受診される患者さんは、多くの場合が三叉神経痛です。顔面神経痛ではなく、三叉神経痛です。お間違いの無いようにお願いしたいのですが、今イチ混同してられる方は、2009年12月3日の記事
顔面神経痛?
をご参照下さい。また、関連する記事として、
神経血管圧迫症候群
ならびに
聴神経鞘腫と三叉神経痛
についてもご参照頂ければ幸いです。
三叉神経は顔面の知覚を司る神経ですが、脳神経の中では一番ぶっとい神経で、実際の画像でどのように見えるかと言いますと、脳幹(橋)のど真ん中から眼球方向に向かってズド〜ンと伸びています。
三叉神経痛の場合、この神経に何らかの障害が生じて激しい顔面の痛みが生じるわけです。一番多いのが血管による圧迫です。次の画像では、右三叉神経に血管の圧迫が認められています。
次も血管による圧迫ですが、先程の画像よりは太めの血管がくの字に曲がって左三叉神経を内側から圧迫しています。
次の画像では、蛇行した脳底動脈とおぼしきぶっとい血管が左三叉神経を外側へグイグイ押していて、左三叉神経はグニャリと曲げられ脳幹までもが変形してしまっています。
どんな治療をやっても効果が無かったんですが、わたくし頼まれて治療を担当しまして、幸い現在痛みは消失しております。
次は三叉神経が髄膜腫という腫瘍に巻き込まれてしまって、激しい痛みが続いている患者さんです。
健側(左)三叉神経は見えていますが、右三叉神経があるべき場所は腫瘍に占拠され、神経は全く見えません。赤い矢印の部分は、メッケル腔という三叉神経が入っていく骨の凹みですが、右三叉神経部に出来た髄膜腫が、まるで親指を突き上げるようにメッケル腔にはまり込んでいます。MRIの画像見ただけで、超痛そう・・・。
次も腫瘍による圧迫ですが、この腫瘍は三叉神経より数mm下にある聴神経と言う神経に出来た聴神経鞘腫と言う腫瘍です。何故か上方に向かって成長し三叉神経の根本に食い込むので、三叉神経痛で発症することがあるのです。
顔面がビリビリと激しく痛む方、虫歯等による歯の痛みかと思って歯医者に行っても、原因がよく分からないような痛みが続いている方、頭蓋内に恐ろしい病気が隠れているかもしれませんぞ。どてらいことになる前に、急いでさむら脳神経クリニックで調べて貰いましょう!
さむら脳神経クリニックのスタッフブログも宜しくお願いします。
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