脳卒中は「2度死ぬ」恐ろしい病気!?知っておきたい脳卒中のリスクと予防法

samura

2024年11月19日 06:03

んにちは。今回は、脳卒中のリスクや予防について詳しくお話しします。脳卒中は突然、命を危険にさらす病気ですが、実はそれ以上の恐ろしさがあります。それは、「脳卒中は2度死ぬ病気」とも言われる点です。なぜ「2度死ぬ」と呼ばれるのか、その理由を紐解きながら、予防の重要性についても解説します。



脳卒中とはどんな病気か?
まず、脳卒中がどのような病気かを簡単におさらいしておきましょう。脳卒中は「脳への血流が急に遮断されたり、脳内で出血が起こったりすることで、脳がダメージを受ける病気」です。脳は私たちが話す、動く、考えるなど、あらゆる行動をコントロールしているため、脳が損傷すると日常生活に大きな支障が出てしまいます。

脳卒中には大きく3つのタイプがあり、原因や症状も異なります。



脳梗塞

 脳の血管が詰まり、血流が途絶えるタイプです。日本の脳卒中の約7割を占めており、動脈硬化や血栓(血の塊)が原因です。

脳出血

 血管が破れ、脳内に出血が起こるタイプで、高血圧が主な原因です。出血が脳を圧迫し、重い後遺症を残すことが多くあります。

くも膜下出血

 脳の表面にある血管が破れて出血が起こるタイプです。動脈瘤が破裂して発症するケースが多く、突然の激しい頭痛を伴います。

これらのタイプの違いはありますが、いずれも脳に大きなダメージを与える危険な病気です。



脳卒中の症状と残る後遺症
脳卒中が発生すると、次のような症状が現れることが多いです。

片麻痺

 脳の右側で発生すると左半身、左側で発生すると右半身に麻痺が出て、手や足が動かしづらくなります。

言語障害

 脳の左側がダメージを受けると、話す・理解する機能が低下する失語症が見られることがあり、会話が難しくなる場合があります。

視覚や空間認識の障害

 脳の右側が損傷されると、視野の一部が欠けたり、物の距離がわかりづらくなることもあります。

意識障害や激しい頭痛

 脳内出血やくも膜下出血の場合、強い頭痛や意識がぼんやりとする症状が出ることがあり、緊急の治療が必要です。

脳卒中はこのように発症直後から深刻な症状を引き起こし、たとえ命が助かっても、後遺症が残る場合が多く、元通りの生活を取り戻すのは容易ではありません。



脳卒中は「2度死ぬ」病気である理由
ここで、なぜ脳卒中が「2度死ぬ病気」と言われるのかについて詳しく見てみましょう。

一度目の死は、脳卒中そのものがもたらす直接的なダメージです。脳卒中の発症により脳の一部が損傷し、身体に麻痺が残ったり、言葉が話せなくなったりと、生活の自由が制限されることになります。これによって日常生活が困難になり、仕事を失ったり、周囲の人とのコミュニケーションが難しくなることで社会生活も大きく変わってしまいます。これが「社会的な死」とも言える状態です。

二度目の死は、生物学的な「本当の死」です。脳卒中の後遺症が残ると、その後の生活に多くの制約が生じ、身体の機能が衰えやすくなるため、再発のリスクが高まります。こうして再発や病状の悪化、他の健康問題が重なり、最終的には生物学的な死が訪れるまでの過程で、脳卒中患者は長い間にわたって「2度の死」を経験しながら生活しなければならないのです。

人間は本来、人生の終わりは1度で良いはずです。しかし、脳卒中により「社会的な死」と「生物学的な死」の2度の死に追い込まれる恐ろしいリスクがあるため、脳卒中を予防することが非常に重要なのです。



脳卒中予防の鍵は高血圧管理
では、この「2度の死」を避けるために何ができるのでしょうか?その中心にあるのが「血圧管理」です。

高血圧は脳卒中の最大の原因です。血圧が高い状態が続くと血管に強い負担がかかり、動脈硬化が進行します。すると、血管が詰まりやすくなったり、破れやすくなったりして、脳卒中のリスクが大幅に上がってしまいます。しかし、高血圧は「痛くもかゆくもない」ため、自覚がないまま進行することが多いのが現実です。このため、血圧が高い方は降圧剤による治療や生活習慣の改善が必要です。

高血圧をしっかりと管理することは、脳卒中を予防し、「2度の死」から身を守るために欠かせないポイントです。



降圧治療は「未来のための投資」
高血圧を管理するために、降圧治療は重要な役割を果たします。しかし、「一度薬を飲むと一生やめられなくなる」「薬に頼りたくない」という考えから、治療をためらう方も多くいらっしゃいます。ですが、降圧剤は「未来のリスクを防ぐための投資」として捉えるべきです。

血圧がコントロールされていることで血管の負担が軽減され、脳卒中や心臓病のリスクを確実に下げることができます。脳卒中が発症した後では元の生活を取り戻すのが難しく、今、健康を守るために血圧を管理することが将来の自分を守る大きな鍵となります。降圧治療は「自分の未来を守るための選択肢」と考えて積極的に行いましょう。



まとめ:2度の死を防ぎ、健康な人生を守るために
今回は、「脳卒中は2度死ぬ病気」と言われる理由についてお話ししました。脳卒中は、発症によって「社会的な死」を経験し、その後に「生物学的な死」を迎える恐ろしい病気です。人生の終わりは本来一度で良いはずです。だからこそ、血圧管理や高血圧の治療によって脳卒中を予防し、2度の死を避け、長く健康な生活を守ることが大切です。

ぜひこの記事を参考にして、ご自身やご家族の健康について考えるきっかけにしていただければ幸いです。

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