寝る子は育つ

samura

2009年11月03日 07:08

K-1でも活躍している韓国の大巨人チェ・ホンマン選手。

身長2m18cmとトンでもない巨人ですが、徴兵されてすぐ脳に腫瘍が見つかり兵役を免除されることとなりました。まず間違いなく、下垂体に腫瘍があったのだと思います。

診断は、成長ホルモン産生下垂体腺腫です。

成長ホルモンは、人間の成長に必須のホルモンで、下垂体という目と目の間、脳の奥にある小さな組織から分泌されます。成長ホルモンが出ると身長がどんどん伸びていきますが、ある時期骨の成長はストップします。成長ホルモン産生下垂体腺腫の場合、骨の成長が止まる前に発病すると、2mを超えるような大巨人に成長してしまうので巨人症などと呼ばれていますが、骨の成長がストップした後に腫瘍が出来て成長ホルモンの分泌が増えると、末端肥大症という病態を生じます。

くちびるが厚くなり、額やあごが飛び出してきて、特徴的な相貌を呈してきますし、四肢が異常に発達して手のひらなどグローブのように大きくなる場合も見られます。困るのは、成長ホルモンの作用で、血圧や血糖値が上がってしまい、不摂生をしている訳でもないのに生活習慣病のような体内環境が形成され、脳卒中や心血管障害のリスクが高まってしまうことです。

成長ホルモンが高い状態を放置するのは大変危険ですが、きちんと治療すれば安全な範囲までホルモン値を下げることも不可能ではありません。

それにしても、この成長ホルモン。子供達がすくすく育つには、必要不可欠なホルモンです。寝る子は育つと言いますが、成長ホルモンは就寝1時間後くらいから分泌量が増え、夜中の12時頃にピークを迎えると言われています。ですから、成長期のお子様方は、出来るだけ11時までには寝るようお勧めしております。

12時過ぎてから寝れば成長ホルモンの影響が少なくなって血圧が下がるんじゃないかとお考えの方、睡眠不足も血圧を上げるリスクになりますので、出来るだけ7時間以上は睡眠を取るようにしましょうね。

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