性染色体XYでも女性?:XY女性と男性仮性半陰陽の謎を解き明かす

samura

2024年08月05日 04:45

2024年パリオリンピックのボクシング競技で、ある女性選手が性差別の標的となり、SNS上で心ない言葉を浴びせられました。彼女に向けられた誹謗中傷は、彼女がトランスジェンダーであるという誤った情報に基づいていました。



しかし、真実は全く異なっていました。彼女はXY女性、つまり性染色体は男性でありながら、生まれつき女性として生きることを運命づけられた存在だったのです。

この出来事は、私たちが性についていかに無知であるかを改めて浮き彫りにしました。性とは、XXとXYという二つの染色体だけで単純に割り切れるものではありません。複雑な遺伝子やホルモンの相互作用によって、多様な性のあり方が存在するのです。

この記事では、XY女性と男性仮性半陰陽という、性染色体がXYであっても女性として発現する二つのケースについて詳しく解説します。これらの疾患について理解を深めることは、性に対する多様性を認め、偏見や差別をなくす第一歩となるでしょう。



XY女性と男性仮性半陰陽は、どちらも性染色体がXYであるにもかかわらず、女性の外性器を持つ、あるいは外性器が女性化している点で共通しています。しかし、その発症時期や原因、症状には違いがあります。

XY女性は、胎児期の性分化の初期段階からアンドロゲン(男性ホルモン)の作用が不十分であるために、男性としての性分化が起こらず、女性として発達します。原因としては、アンドロゲン不応症候群(AIS)、性腺形成異常(Swyer症候群)、5α-レダクターゼ欠損症などが挙げられます。




AISの女性は外性器は完全に女性型で、子宮や卵管は未発達であることが多く、妊娠は困難です。

Swyer症候群の女性は外性器は女性型ですが、卵巣様組織は機能しておらず、自然妊娠はできません。

5α-レダクターゼ欠損症の女性は、卵巣は正常に機能しており、子宮や卵管も存在するため、理論的には自然妊娠が可能と考えられますが、症例は非常に稀です。


XY女性の筋肉量や筋力は、AISやSwyer症候群の場合は女性と同程度ですが、5α-レダクターゼ欠損症の場合は思春期以降に男性化が起こるため、女性よりも増加する可能性があります。




一方、男性仮性半陰陽は、性分化の初期段階では男性として正常に発達しますが、その後、アンドロゲン作用の不足や異常により、外性器の男性化が不十分となり、女性化または不明瞭な外性器を持つようになります。



男性仮性半陰陽の多くは、出生時には男性と判断されますが、思春期に外性器の異常が明らかになることがあります。男性仮性半陰陽の場合、性腺は精巣ですが、外性器は女性化しているため、妊娠はできません。筋肉量や筋力は、一般的に女性よりも少ないと考えられますが、男性ホルモンの作用の程度によって個人差があります。



このように、XY女性と男性仮性半陰陽は、性分化の過程における発症時期や原因、症状が異なるため、それぞれの疾患について正しい知識を持つことが重要です。

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