慢性硬膜下血腫の急性増悪

samura

2011年05月20日 01:14

以前のブログの記事にこんなコトが書いてありました・・・。

わたくし、上は毎日ラグビージャージを着用しておりまして、下はジーパンかトラックスーツ系でございます。ジーパンの時は普通に靴など履いておりますが、トラックスーツの場合は便所スリッパを愛用しております。かようなおちゃらけテイスト満載の外見で毎日通勤しておるのですが、どうせ家の玄関から職場まで車の中ですから誰にも会いませんし、職場では仕事着に着替えますので支障を来すことなど無いのでございます。仕事が終わった後は、勿論直帰!

以前冬場はどてら(半纏)など愛用しておりまして、ナイチャー(内地+er)観光客が大勢いる国際通りなど、どてらに便所スリッパで闊歩しておりました。飲み会などもどてら着用で行きますが、かなり鮮烈な印象を残すようでして、数年経って「あの時どてら着ていた先輩!」などとすぐ思い出してもらえるところを見ると、後輩受けも大変良いと言わざるを得ないのであります(勝手に言っとけ)。

一度、どてらに便所スリッパで国際通りのイタリアン・トマトに入りましたところ、どうもドレスコードに引っかかったようで、叩き出されてしまいました。あたしゃイタトマにドレスコードがあるなんて、全く知らなかったのでございます。当時その店には同級生がバイトしていたんですが、私とは目を合わせようともせず、もろ「他人のふり」マインドだったのでございます。寂しかったなぁ〜。


その意味では、わたくしどてら医ヤツと言えなくの無いのでは無いか・・・、などと考えたりしてみたのですが、それはさておき先日久しぶりに外来においでになった患者さんが他院脳外科からのお手紙を持参しておられまして、開けて読んでみましたら、なんですとぉ〜(驚)!

慢性硬膜下血腫の急性増悪で手術したと書いてあるではありませんか。

わたくしのブログの読者諸氏なら既にご存じと思いますが、慢性硬膜下血腫って頭部打撲後にジワジワと頭蓋骨と脳の間に出血が溜まっていって、脳の圧迫が強くなってくると頭痛や手のしびれ、認知機能低下などの症状が出てくる病気なんですが、非常に希に血腫の中にどば〜っと出血して急激に状態が悪くなる場合があるんです。脳は頭蓋骨という強固なプロテクターに守られていますので外からの衝撃には耐えられるんですが、頭蓋骨の内部に脳を圧迫するような余計な病変が出現した場合は逃げ場が無くなってしまうんです。

この患者さんの場合、当院にはリハビリで通っておられたのですが、頭をぶつけた記憶は全く無くいつの間に慢性硬膜下血腫が出来てしまったのか不明です。血腫の中に急激に出血して3日間意識を無くしていたようで、連絡が付かなくなっていると言うことで親類の方が見に来て倒れているのを発見し、救急搬送後手術になったようでした。

以前にも何度か書いていると思いますが、脳は我慢して我慢して我慢出来なくなった時急激に症状が悪化します。知らないうちに、ジワジワと脳を蝕む病変が進行していても、相当進行するまで気付かないことがほとんどです。

恐ろしいですねぇ・・・。


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