「だぁかぁらっっっ!」って言いたくなる瞬間
ふらふらすると言う患者さんが来院されまして、夕方になると鈍い頭痛とふらふらが強くなってくるとのこと。
重心動揺計でふらふら感の定量的な評価を行いますと、重心の前後方向への揺れが検出されました。この様な場合、肩こり首こりがひどい場合と小脳が悪い場合が考えられますが、小脳症状の場合は動揺面積も拡大します。今回は動揺面積は正常範囲内であったため、首こり肩こりからくる緊張型頭痛とそれに伴うふらふら感が起きているものと考えました。
原因は寝不足寝過ぎ疲れストレス・・・。
日々の疲れが首肩に溜まってきて、筋肉の緊張から末梢血管が圧迫されて循環が悪くなり、疲労物質がウォッシュアウトされずに溜まってきて、それが神経の末梢を刺激して頭痛やふらふら感が出ていると言うメカニズムです。これに対して、筋弛緩剤と抗不安剤で原因をほぐしていく治療を行うコトに致しました。
筋弛緩剤は筋肉の血管を拡張して循環を良くする作用があるものを選び、刺激された神経を抑えて脳に痛みやふらふら感が伝わりにくくする目的で抗不安剤を併用するわけです。
患者さんにはその旨をご説明し、筋肉がほぐれすぎるとだるく感じたりふらふらする感じが出たりすることがあるコトと、抗不安剤で眠気が出たりすることがあるコトをご説明します。普通は朝昼晩と1日3回飲む薬ですが、副作用のことも考え夜寝る前だけ飲んで頂くこととし、万が一副作用が出ても睡眠中なので自覚されたり問題になるコトは無いとご説明致しました。
そしたら後日患者さんからお怒りのお電話がっっっ。
「薬局で薬をもらう際に、薬の副作用でふらふらすることがあると聞かされた。なぜふらふらしている人に副作用でふらふらする薬を出すんだ(怒怒怒)!」ってなお話ですわ。
だからっ!
だぁかぁらっっっ!
薬出す前に説明したでしょ〜! 症状が起きている原因、メカニズム。どう治療すればいいか。この薬がなぜ必要で、どう言う風に効果を発揮するのか。副作用でふらふら感を感じる人がいないわけでは無いが、寝る前に飲むので副作用が出ても問題にならいって。
この薬を出してもいいかって聞いたら、「出してもいい」って言ったでしょ〜!
最後に「ご質問はありませんか?」って聞いたら、「無い!」って言ったでしょ〜!!!
あたくしがたっぷり時間を使って一生懸命ご説明申し上げても、世の中こんなもんですけん・・・。後で聞いた説明の方が頭に残って、診察室で聞いた説明はあっという間にどこかに吹っ飛んでしまうんです。
でも、良い方に考えれば、こうやって疑問を持ったコトを確認してくださる患者さんは、むしろまだいい方です。何が分かっていないかが把握できていますから、もう一度来て頂いてその点についてもう一でご説明すれば良いわけですから!
と言うコトで、もう一度た〜〜〜っぷり時間をとってご説明致しまして、お薬を飲んで治療して頂けるコトになりました!
めでたしめでたし。
関連記事