脳圧が血圧を凌駕する時
自律神経ってご存じでしょうか?
患者さんの訴える症状の原因がよく分からないとき、医者がよく「自律神経ですかねぇ」とか言うアレです(違うだろ!)。
自律神経って神経は、身体の内部環境を調整する神経で、交感神経と副交感神経が互いに拮抗しながら働いています。心臓の鼓動や呼吸の状態、体温や腸の動きや血圧やその他諸々の身体の状態を脳が考えなくても勝手に調節しています。例えば手や足は脳の命令で随意的に動かすことが出来ますが、寒いときに体温を逃がさないように皮膚が収縮して鳥肌が立つような反応は、脳が命令しなくても勝手に起こる現象です。「今日はちょっと寒いんで、鳥肌でも立てておこうかな」なんて人、普通おりません。大好きな異性を見て胸がときめくのは、交感神経優位になって心拍数が増えているだけで、別に不整脈の発作が起きている訳ではないのです。全て自律神経のなせる技なのです。
で、昨日の話の続きですが、何らかの原因で脳圧が上がった場合。例えば脳出血で、脳の中に余計な血の塊が一気に出来ちゃった場合、頭蓋内圧は急激に上昇してしまいます。そうすると血圧と頭蓋内圧の高低差が少なくなり、血液が脳に流れにくくなります。それに対して自律神経が反応し、血圧を上昇させることで脳の潅流圧を維持しようとする訳です。
このため、脳出血の患者さんは血圧が180とか200とか、場合によってはそれ以上に上昇しています。血圧が高いと破れた血管がまた破れて、さらに出血がひどくなる危険がありますから、血圧は下げなきゃいけません。しかし血圧を下げると脳に血が行かなくなって困りますので、血圧も下げつつ頭蓋内圧も下げてあげなければなりません。
くも膜下出血で大量に出血してしまった場合、頭蓋内圧が血圧を凌駕してしまうことがあります。水が低いところから高いところへ流れないのと同じで、頭蓋内圧の方が血圧より高い訳ですから、脳へ血液が環流出来なくなってしまいます。この状態を、non-fillingといいます。簡単に言うと、頚絞められてるのと一緒です(あんた単純化しすぎ!)。頭蓋内にあふれ出した血液が、血液が流れることが出来ないほど激しく脳を締め付けている状態です。脳全体の血管がぺっちゃんこに押しつぶされ、血行が遮断されてしまっている訳です。こうなると、救命することはほぼ不可能と言っていいでしょう。それどころか、病院まで辿り着けるかどうかも厳しいところです。
恐ろしくて、鳥肌が立ってしまいます・・・。
患者さんの訴える症状の原因がよく分からないとき、医者がよく「自律神経ですかねぇ」とか言うアレです(違うだろ!)。
自律神経って神経は、身体の内部環境を調整する神経で、交感神経と副交感神経が互いに拮抗しながら働いています。心臓の鼓動や呼吸の状態、体温や腸の動きや血圧やその他諸々の身体の状態を脳が考えなくても勝手に調節しています。例えば手や足は脳の命令で随意的に動かすことが出来ますが、寒いときに体温を逃がさないように皮膚が収縮して鳥肌が立つような反応は、脳が命令しなくても勝手に起こる現象です。「今日はちょっと寒いんで、鳥肌でも立てておこうかな」なんて人、普通おりません。大好きな異性を見て胸がときめくのは、交感神経優位になって心拍数が増えているだけで、別に不整脈の発作が起きている訳ではないのです。全て自律神経のなせる技なのです。
で、昨日の話の続きですが、何らかの原因で脳圧が上がった場合。例えば脳出血で、脳の中に余計な血の塊が一気に出来ちゃった場合、頭蓋内圧は急激に上昇してしまいます。そうすると血圧と頭蓋内圧の高低差が少なくなり、血液が脳に流れにくくなります。それに対して自律神経が反応し、血圧を上昇させることで脳の潅流圧を維持しようとする訳です。
このため、脳出血の患者さんは血圧が180とか200とか、場合によってはそれ以上に上昇しています。血圧が高いと破れた血管がまた破れて、さらに出血がひどくなる危険がありますから、血圧は下げなきゃいけません。しかし血圧を下げると脳に血が行かなくなって困りますので、血圧も下げつつ頭蓋内圧も下げてあげなければなりません。
くも膜下出血で大量に出血してしまった場合、頭蓋内圧が血圧を凌駕してしまうことがあります。水が低いところから高いところへ流れないのと同じで、頭蓋内圧の方が血圧より高い訳ですから、脳へ血液が環流出来なくなってしまいます。この状態を、non-fillingといいます。簡単に言うと、頚絞められてるのと一緒です(あんた単純化しすぎ!)。頭蓋内にあふれ出した血液が、血液が流れることが出来ないほど激しく脳を締め付けている状態です。脳全体の血管がぺっちゃんこに押しつぶされ、血行が遮断されてしまっている訳です。こうなると、救命することはほぼ不可能と言っていいでしょう。それどころか、病院まで辿り着けるかどうかも厳しいところです。
恐ろしくて、鳥肌が立ってしまいます・・・。
この記事へのコメント
お早うございます
先生の記事を読ませていただくと
異常な事態になっていく
人間の体に恐怖を覚えますが
逆に健康でいる状態の今の自分の体内で
そんな働きが休み無く機能していると想像すると
人間の身体ってすごい!と
改めて思ってしまいますね
先生の記事を読ませていただくと
異常な事態になっていく
人間の体に恐怖を覚えますが
逆に健康でいる状態の今の自分の体内で
そんな働きが休み無く機能していると想像すると
人間の身体ってすごい!と
改めて思ってしまいますね
Posted by 糸満アンマー at 2009年12月26日 07:19
霊が多数いる場所でも、
鳥肌が立ちますが・・・
鳥肌が立ちますが・・・
Posted by kusano@三線弾いてハッピーライフ! at 2009年12月27日 02:10
糸満アンマーさん、コメントありがとうございます。
毎日大きな病気もせず、健康に生活出来るって凄いことです。
神経系やホルモンによるコントロールは、脳で考えなくても、起きて活動してるときでも寝ているときでも、常に行われているんですね!
毎日大きな病気もせず、健康に生活出来るって凄いことです。
神経系やホルモンによるコントロールは、脳で考えなくても、起きて活動してるときでも寝ているときでも、常に行われているんですね!
Posted by samura at 2009年12月28日 16:46
kusano@三線弾いてハッピーライフ!さん、コメントありがとうございます。
霊が多い場所、確かに鳥肌立ちますね!これもやはり自律神経の作用なんでしょうか?
霊が多い場所、確かに鳥肌立ちますね!これもやはり自律神経の作用なんでしょうか?
Posted by samura at 2009年12月28日 16:49