Dr.さむらのハイパー気まぐれ日記

さむら脳神経クリニックから脳の健康について書いていくつもりですが・・・。

那覇マラソンとランナーズハイ

今日の那覇マラソン、どれくらいのランナーが出場されるのか分かりませんが、早い方で2時間台、最後尾の方は6時間も走り続けるわけですから、体中ガタガタのわたくしには全く不可能な競技です。

はっきり言って、マラソンが体に良いはずありません(ランナーの皆さま済みません)。運動中は血圧も上がりますが、6時間走り続けると言うことは6時間も血圧があった状態が続くってことですし、体温だって高くなります。マラソン選手は痩せた人がほとんどで、体温を逃がしやすい体型になってますが、市民ランナーでやや太り気味の方など体温が逃げにくく熱中症の危険もありますから、こまめに水分補給するなど気を付けて下さい。

それにしてもマラソン中は、42度くらいまで体温が上昇するそうです。正直言って恐ろしい数字ですが、それにより白血球や赤血球など血液中の血球成分が熱を持ち脳細胞を直接障害することがあります。このような場合、対応が遅れると神経細胞に不可逆的な障害が生じ、小脳失調などの後遺症が残ってしまうことがあります。最悪命を落とすこともありますが、なぜそんな危険を顧みず走り続けるのか?

走るのが好きだから?

おそらく、あるレベルに達した方は、走り続けることでメッチャ気持ち良くなるんじゃないかと思います。よく、ランナーズハイって言いますが、あれです、あれ。

脳内には、報酬系という欲求が満たされる時に活性化する神経回路があり、欲求が満たされることで活性化され、気持ちいい感覚をもたらします。その欲求には、「食べたい」「飲みたい」「眠たい」といった一次的欲求から、長期的な目標を達成したり社会的な賞賛を得たりと言うようなより高次の欲求の達成まで含まれます。また、欲求が満たされるだけでなく、欲求が満たされることが分かることでも活性化されます。報酬系では、βエンドルフィンといういわゆる脳内麻薬が作用することで、多幸感を感じるのだと言われています。

走り続けて気持ちいい感覚を得る場合、どのような欲求のもとに快感が引き出されているのか私にもよく分かりませんが、体温40度超に加えて血圧上がりまくりの状態で6時間も走り続けるのは大変な危険も伴っていることを忘れてはいけません。いや、逆にそれだからこそ気持ち良いのかもしれません。賭け事だって、賭けるもの(金額)が大きければ大きいほど面白いって言うじゃありませんか。それからすると最も面白いのは、自分の命を賭けて勝負することなんですが、冬山登山なんかもその部類かもしれません(クライマーズハイ?)。

私の場合は、言うなればリフターズハイ。ヘビーウエイトリフター諸氏には御理解頂けるかもしれませんが、ウエイトに押しつぶされる恐怖感と戦いながら、バーベルを上げる時の快感はえもいわれぬものがあると思いますよ(あんただけ)。また、神の手ドクター福島なんか、誰がどう考えたってオペレーターズハイ(なにそれ)!これに関しては、また今度書こうと思いますが、それにしても那覇マラソンに出場されるランナーの皆さんは、是非自分のペースで、こまめに水分を補給して、無理せずに走って下さいね。




vol.24
患者さんについて求めること

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この記事へのコメント
samura先生 こんにちは

私はマラソンという長丁場の忍耐をかなり必要とするスポーツは苦手ですね
マラソン選手で笑って走っている人いませんし…
出場されるスポーツクラブのメンバーさんにはマラソン後は身体のケアーをし
て下さいと言います。私は筋肉疲労の事が中心ですが…
samura先生がブログで書かれている体温40℃越え…血圧上がりまくりは
恐ろしいですね
以前40KM地点で応援した事がありますが…足の筋肉痙攣の方が多くて…
観てられない感じでした… 那覇マラソンは何度誘われても…若い頃から走りませんでした
ランナーの皆さんマイペースで走って欲しいです

1昨日から運転する時間が長くて…首に負担がかかってるせいか…左の手
の親指が痛いです…
Posted by にゃん社長にゃん社長 at 2009年12月06日 11:03
足跡から来ました、
ヨロシクです。

以前、マラソンの経験(かな~り昔)有りますが
今は走れません(笑)
リフターズハイは興味があります。
自分はもっぱら腕立てと腹筋の方でデブですので
やるだけでかなりウエイトが乗った状態です(笑)

samuraさんのブログ、面白いのでまた遊びに来ます。
ヨロシクです。
Posted by takeyantakeyan at 2009年12月06日 11:22
はじめまして!足跡辿ってきました。

ランナーズハイ、体験してみたいと思っていましたが・・・
血圧上がりっぱなし・・・とか聞くと確かにそうだ!怖いな~と思います・・・
って、走ったこともないので心配する必要もないんですけど(; ̄ー ̄A

また遊びに来ます♪
Posted by ルナ・オアシスルナ・オアシス at 2009年12月06日 14:41
にゃん社長さん、こんばんわ。

自分のペースをキープすればど〜ってことないと思うのですが、なめてかかると大変なことになります。以前知り合いの人が那覇マラソンの20Km地点で倒れまして、この方はずっとバトミントンをやっていた方ですが、マラソンを舐めていたようで、地面が直立した壁の様に見えたと言ってました。全く立てなかったそうです。後遺症なく回復したから良かったのですが・・・。

左手の親指の症状は、頸から来ている可能性大ですね!
Posted by samurasamura at 2009年12月06日 19:29
takeyanさん、ご訪問ありがとうございます。

私も、腹筋・背筋・腕立て伏せで、トライアスリートと称しています。マラソンなんて走ったら、体重で膝が破壊されてしまうコト確実です(泣)。

またのご訪問をお待ちしておりますね。
Posted by samurasamura at 2009年12月06日 19:32
ルナ・オアシスさん、はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。

ランナーズハイになるまで走り続けるなんて、私にはちょっと無理っぽそうです。

来週の日曜日は、「神の手Dr.福島」のオペレーターズハイの話を書く予定です。是非読んでみて下さいね。
Posted by samurasamura at 2009年12月06日 19:50
たしかに体によくないでしょうね、俺もチャレンジしたいけど、首への負担とゆうか頭痛に繋がるので走れません、極度の運動はやはり体に悪いのでしょう、タレントの松村さんもかなりヤバカッタみたいですね。
Posted by 龍帝 at 2009年12月06日 23:10
こんばんは。
いつもテーピングのブログを気にしてくれてありがとうございます。
今日も、足あとからやってきました。

私は、マラソンちょっとダメ(長い走りが苦手)なんです。
だけで、みなさんほんとに楽しそうですよね。

だけど、しっかり体調管理というか自分の体のことを知って
走ることが大切なんですね。

今日の記事にも考えさせられました。

ありがとうございます。

samuraさんの病院はこれからなんですよね。
病院についても今度教えて下さいね(^。^)y-.。o○
Posted by ☆テーピングアドバイザーの松田です。 at 2009年12月06日 23:32
龍帝さん、おはようございます。

私も長距離のランニングは、どうしても頸に来てしまいます。
タレントの松村さんは、一旦心臓が止まったらしいですが、那覇マラソンの医療救護班に聞きますと毎年結構いるらしいですよ、ああいうひと。

皆さんも気を付けましょうね。
Posted by samurasamura at 2009年12月07日 06:36
テーピングアドバイザーの松田さん、おはようございます。

やはり自分の体との対話というか、体の声をよく聞いて無理ないように対応するのが一番だと思うのですが、脳はなかなか体の声に耳を傾けないことが多いんです。だんだん年を取っていくと、若い頃のように無理がきかなくなりますから、体との対話はより重要になっていくと思います。

人ごとみたいに行ってますが、自分のコトです!

病院のホームページも、現在いろんなコンテンツを準備中です。もうすぐ公開しますので、是非ごらんになって下さい!
Posted by samurasamura at 2009年12月07日 06:41
足跡から来ました
はじめまして~

私はおきなわマラソンに参加しています
身体のことを考えれば、確かに過酷なスポーツですよね

だからこそ、自己管理しつつ・・・自分のペースが大切ですね
初めて参加したときには、30キロ過ぎたあたりから意識モウロウ状態だったのをいまだに覚えてます

だからこそ、翌年からはしっかり身体をケアしながら練習し
2年目は気持ちよく走れました(^^)

マラソンするからではなく、日頃から自分の身体のことを知ることが大切ですね。

身体あっての楽しい人生ですからね
Posted by miyumiyu at 2009年12月07日 16:02
miyuさん、はじめまして。

「日頃から自分の身体のことを知ることが大切ですね」と言うコメント、まさにその通りだと思います。マラソンやその他のスポーツも、身体と対話するきっかけになればいいですね。

それにしても、小顔になりたい!
Posted by samurasamura at 2009年12月07日 21:45
こんばんは、
足跡からきました。
昨日の那覇マラソン無事完走しました。
練習も本番も友人が一緒だったので
気持ちよく走れました。

スタートしてしばらくは普通だったのですが
10キロ過ぎたぐらいから不思議と
気持ちよくなるんです。(こわいですね~)
そこでペースをあげようとしたら友人に止められて
助かりました。

友人は過去8回連即出場(完走)しているので
練習と本番のペースメーカをやってくれました。

「何も急いで走る必要はないきっちりペース配分して
完走すればいい。」

そのおかげで楽しみながら走りきることができました。
友人に感謝です。




体温が42度も上がるなんて知らなかったです。
友人が言ってました「本番は120%のちからがだせるよ!」って
アドレナリンおそるべし!
Posted by がきっちがきっち at 2009年12月07日 22:22
どうもぉ、伊芸です。

毎回毎回 興味そそられる が多く楽しみにしております

引き出し が いっぱい有りますように 祈ってます!笑

 浜田省吾 好いですよね 。 はまこう 元気でしょうか?

福島先生 について! 楽しみにしてます。 
 
Posted by 路を間違えた医療人達路を間違えた医療人達 at 2009年12月07日 23:58
がきっちさん、おはようございます。
那覇マラソン、完走おめでとうございます!

気持ちよさにつられてペース配分を誤ると、後半大変なことになったりするんですね。勉強になりました。

これは人生にも言えることかもしれません。私はマラソンは走れませんが、人生は楽しみながらきっちりペース配分していきたいと思います。

マラソン中の体温については、以前読んだ本には42度まで上昇すると書いてありました。市民ランナーの場合は、そこまでの上昇は少ないと思いますが、別の資料では45度まで上昇するってのもあって、いくら何でもそれはないだろうと思ってます。

本番では120%の力が出せるってのは、まさにその通りだと思います!
Posted by samurasamura at 2009年12月08日 07:17
伊芸さん、おはようございます。

引き出し沢山ありますので、お楽しみに!

Dr.福島、10月の脳外科総会の時も私の前に立っていて、お付きの人と何か話しているのが聞こえてきました。いろいろ大変なんだなぁ〜。

それについても、今度書きたいと思います。
Posted by samurasamura at 2009年12月08日 07:40
 
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