アーサのおつゆ

samura

2011年07月01日 01:14

子供の頃、アーサのおつゆには必ず砂が入ってましたので、最後まで飲まず砂を残すようにしてましたが、最近砂が入ったアーサのおつゆにお目にかかることが無くなって寂しい限りです。勿論砂が入っていない方がいいんですが、宇宙戦艦ヤマトが14万8千光年の距離を旅してイスカンダルまで取りに行った放射能除去装置「コスモクリーナーD」的アーサから砂を除去する革新的な技術「アーサクリーナーD」みたいなのが開発されたのでしょうか?

革命児アーサー・ジョーンズ氏もアーサのおつゆが大好きだったという話ですが、それはいいとして、学生の頃尊敬する泌尿器科の大澤教授は常々「医者は探偵でなければならない」と力説しておられました。問診において患者さんから語られる病歴や症状その他のヒントに、診察所見や検査結果を加味しつつ病態の核心に迫っていく作業は、事件現場に残された遺留品や状況証拠等から犯人に迫る探偵のそれと同じと言うことでしょうか?

患者さんのお話の中には、核心に迫るキーワードが隠されていることがしばしばですが、漫然と話を聞いていると聞き逃してしまうコトもありますし、ひとつの言葉が全く別々の症状を瞬時に結びつける決定的証拠、「事件を解く鍵」になることだってあるのです。

先日のことですが、高血圧で通院中の患者さんがいらっしゃいまして、その方は以前から涙が出ると言うことを訴えておられたんですが、当初私は眼科的な問題だと思っておったのです。それで眼科にも診てもらったんですが原因がよく分からず、眼科のドクターからは内科でも相談するように言われたそうなんですが、結局原因は分からずじまい・・・。診察室でもう一度詳しくお話を伺ってみますと、「ご飯を食べる時に涙が出る」とおっしゃるではありませんか!

それを聞きまして青天の霹靂と言うか、冬の稲妻的You’re rollin thunderな衝撃が私の身体を突き抜けました。

全然関係ありませんが、志那虎一城の必殺ブローがローリング・サンダー!



要するにこんな感じの衝撃を受けたと御理解頂ければ嬉しいのですが、「ご飯を食べる時に涙が出る」と言うフレーズだけで、全てのナゾが雲消霧散し病態の核心が明らかになったのです。

診断は、「ワニの涙症候群」です!

患者さんの既往歴には末梢性顔面神経麻痺がありますし、わたくしの診断に間違いありません!ワニの涙症候群は、末梢性顔面神経麻痺が回復する過程において顔面神経内に分布する唾液の分泌を支配する神経が涙の分泌を支配する神経と混線してしまうことによって起こると言われている、本来唾液が出るべき状況において涙が出てしまう病態で、脳外科医になった頃教科書で読んで知識だけはありましたがお会いしたのは初めてです。「顔面神経麻痺」と「流涙」が、「食事」で繋がった瞬間でした。

この「食事」がアーサのおつゆだったかどうかは、わたくしごときの推理力では断定するまでには至りませんでしたが、ただ単に「ワニの涙」が言いたいためだけに腹を凹ますから、気持ち良いトレーニング法トレーニング理論顔面神経カモ・ネギとちょっと無理矢理チックな前振り記事が続いていたことには、さすがの名探偵シャーロック・ホームズの推理力を持ってしてもたぶん気が付かないでしょう(前振り長すぎ本題短すぎ!)。

名探偵シャーロック・ホームズの生みの親アーサー・コナン・ドイルもアーサのおつゆが好きだったかどうかについて、わたくしの文献検索能力を持ってしても明確な回答を得ることは出来ませんでしたが(食べたコト無いっしょ)、1901年9月14日ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた世界最初のボディビル・コンテスト「グレート・コンペティション」で、コナン・ドイルが3名の審査員のうちの1人を勤めたことを考えると、トレーニング系の前振り記事ともまんざら関係がないわけではなく、因縁浅からぬモノを感じるのであります・・・(あんたが無理矢理こじつけただけ!)。

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