透明中隔腔とベルガ腔、5000人に1人の脳って、どんな脳よっ???

samura

2019年03月25日 01:14

日来院された患者さんが、以前別の病院で頭部MRIを撮影し、「5000人に1人の脳だね〜!」と言われたとのこと(驚)!

5000人に1人の脳って、どんな脳よ?????

興味津々で写真を見てみますと、過剰腔でした・・・・・。
と言うことで、過剰腔についてご説明致します。

正常の脳室構造とは別に、髄液の溜まりが出来ることがあります。透明中隔腔やベルガ腔などですが、これをひとまとめにして正中過剰腔と言います。では、実際の画像で見てみましょう!



まずは、正常の脳室の画像です。左右の側脳室の髄液が、モンロー孔を通って第3脳室へ流れ込みます。



ところが、側脳室前角の間に、もう一つ髄液が溜まっている袋が残っていることがあります。これが透明中隔腔です。



側脳室は基本的に左右一つずつですが、その間にも髄液の溜まっている袋が残っていることがあります。





本来二つあるべき側脳室が三つあるように見えますが、これはベルガ腔と呼ばれています。多くの場合透明中隔嚢胞と繋がっています。



脳室間腔と呼ばれる後方にある過剰腔も時々見つかりますが、臨床的な意義は少ないと思います。

本当に5000人に1人の発生頻度なのか、色々文献を漁ってみてもどれも書かれている頻度がバラバラで、はっきり言ってよく分かりませんでしたっ。

仕方がないので、当院で撮影した患者さんを1年分一人一人画像を見直して発生頻度を計算してみますと・・・・・、

なんと、4%。 25人に1人の割合でした!

学校で1クラス40〜50人くらいの生徒がいるとすると、1人〜2人は絶対いるって計算です。

5000人に1人じゃなくて、25人に1人でした・・・・・(適当なこと言う医者だなっ)。


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